我々オステオパスは手によって、感じ、思考し、診ることができます。しかしそのためには指先に、脳細胞の様な繊細さを必要とします。
そして手はまた、患者にこちらのアクションを伝えるツールでもあります。しかし残念なことに我々の手は受動と能動を同時に行うと著しく治療のポテンシーが削がれます。ですから患者を能動的に動かすためには、手の代わりに身体の他の部分がそれを受け持たなければなりません。
頭で感じ、考えて、手で動かすのではなく、手で感じ、思考したものを、体幹のポテンシーを活用することによって治療を行うのです。
それには左右の手がどのように有機的に向き合わなければならないか。また体幹から手に続くフォースの道は、どのようになっているべきか。
「神は細部に宿る」
ほんのわずかな角度の違い、把持する位置が少し違っただけで、そこに創られるポテンシーの質はまったく違ったものになります。
私たちの「手」にはまだまだやれることがたくさんあることを実感できると思います。
細かいことなのできちんと手から手へ伝えなければ伝授できないものなので、必ずその感覚だけはお伝えします。
また、今回は希望される方のみですが、講師の身体にコンタクトして施術していただきます。その際には、忌憚なくダメなものはダメだしさせていただきます。
【コンテンツ】
このセミナーはあくまでも術者の手の感覚と、手で紡ぎだすポテンシーを主眼でやっていきますので、実技は、それを一番やり易い場所を選んで行います。
*左右の手でつくりだすポテンシー
両手でつくるベクトルとそのニュートラル。そしてそこでつくったニュートラルに施儒者の体幹のミッドラインがどう関わるか。
*身体の各々の層にどうやって介入するか。
身体は下腿一つとっても何層に亘って層を成しています。
これはやみくもに介入しても確実に狙った層にアクセス出来るわけではありません。術者の体軸をいかに患者の身体に合わせることができるかで、その精度は全く違ったものになります。
四肢では、浅筋膜層、深筋膜層、筋間中隔、それにまつわる動脈・神経、外骨膜、など、体幹では骨、骨膜、髄膜層、新皮質、旧皮質、脳室など、術者の体軸の使い方だけで、自在にアクセスすることができます。
*筋膜と筋間中隔が骨梁とどの様に関わるか。
またそれにどうやってアクセスするか。
経絡と呼ばれている組織の流れを理解し、活用することができれば、末梢から中枢まで、様々な組織や部位にアクセスすることが出来るようになります。
*短梃子の技法
ピエールメルシエ直伝のジャビュロテクニックを今回お伝えします。
短梃子の技法で行う実技では、心臓の弁構造、ボタロ管に対するテクニックを使用します。
◎長梃子の技法
長梃子の技法で行う実技では、下肢を使った骨盤内組織を調整するテクニックを使用します。
オステオパシーの長梃子の技法は「コツ」の宝庫です。
左右の手でコンタクトする筋膜や関節の使い方次第で術者が作り出すポテンシーは数十倍にアップします。