更年期とは、女性が妊娠、出産という役割を終えて、その後の健やかな生活をいかにして得るかという女性にとって最も大きな節目となる時期であり、体調に大きな変化が現れます。更年期障害は、この時期に生じる自律神経失調(じりつしんけいしっちょう)症状と精神症状が相互に関係しあって起こる、不定愁訴(ふていしゅうそ)の総称と考えられます。
更年期になると、加齢に伴う卵巣機能の低下によって、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の量が減り、これに変わり副腎がその機能を肩代わりする過渡期に、ホルモンの混乱を来たし、脳の視床下部(ししょうかぶ)にある自律神経中枢に影響を及ぼして自律神経失調症を引き起こします。
また、この年代の女性を取り巻く家庭や社会環境の変化からくる心理的ストレスが大脳皮質‐大脳辺縁系(へんえんけい)に影響を与え、憂うつや情緒不安定などの精神症状を引き起こします。
この自律神経失調症状と精神症状が相互に影響し合って、更年期障害の病状を複雑にしています。
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更年期障害は、更年期を迎えた女性が必ずしも、辛い症状を抱えるというわけではありません。
人によっては、まったく体調に異変を感じなかったり、日常生活に支障をきたさない程度の体調の変化のみで、症状が治まる人も珍しくありません。
ホットフラッシュと呼ばれる「のぼせ」や「顔のほてり」が更年期障害の特徴で、閉経後の女性のおよそ5割以上で確認されています。
症状がひどい場合、ホットフラッシュが1年以上も続くこともあり、人との接触をさけるように自宅にこもりがちになる方も多くなり、その後うつ病となる事もあります。
そのほかにも辛い肩こりや憂うつ感なども更年期障害の代表的な症状となります。
オステオパシーではホルモンバランスが大きく崩れる原因は、カラダのゆがみや副腎の一時的な疲労、そして脳での神経の誤作動であると考えております。
ですので、まず骨盤や骨格を矯正して、正常な機能を取り戻すことを主眼とします。
一番大切なことは一時的に一気に負担の増えた副腎に対して「癒し」の機会を与えてあげることです。
先に述べたように更年期障害のあらゆる不定愁訴は、それまで卵巣が受け持っていたホルモンの機能を副腎が肩代わりすることによって起こる症状です。
ですから
この場合、副腎の負担をできるだけ少なくしてあげることが有効なのです。
そして最後に脳に働きかけその誤作動を緩和し、正常な神経伝達にリセットします。
衰えていた各機能が元通りになりますので、ホルモンバランスの急激な減少を抑制し、更年期障害の悪化を防ぐことが期待できます。
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